理容店の店頭でクルクル回る赤・白・青を配したサインポール。
このサインポールほど、世界各国に共通した職業標識はないであろう。
これには色々な説がある。一つはフランス国旗からきたという説。ワーテルローの戦いで大敗したナポレオンは、身の安全を守るため変装しようと理容店に立ち寄った。その時、巻いたフランス国旗を店頭に立てかけたという。これを見ていた人が理容店のサインポールに使ったという説である。皆さんもご存じのようにフランスの国旗は赤・白・青の三色。
もうひとつは、医者との関連説。紀元前5世紀頃、理容師は手先も器用なこともあって、外科手術なども行っていた。ルネッサンス期頃には、“理容外科医”と呼ばれるようになり、この流れが現在の理容師となっているという話。つまり、当時、理容師は医者を兼務していたので、店頭に白(包帯の意味)、青(静脈)、赤(動脈)の三色を配したサインポールを立てたというわれ。
一方、日本では男子の断髪令が布告されたのは明治4年8月9日のこと。当時の理容店は「○○床」という看板を出していたが、西洋理髪の到来と共に、日本でも赤・白・青の看板が使われ今日にいたっている。
[京都支部70周年記念誌より]
最後に、床屋の名称は我々の原点であり、サインポールも看板の原点である。
現在の理容業を取り巻く現状は厳しいが、気持ちを理容師を目指した原点に戻し頑張って行きたいものである。